40代からの介護ラジオ VOL. 6
訪問リハビリテーション(所沢市北野)

今回のテーマは訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションとは?
リハビリテーションとは身体に障害を受けた人に対し、失われた機能をできる限り治癒回復させ、残された能力を最大限に引き出す支援を行うことです。訪問リハビリテーションは、自宅に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訪問し、より良い在宅生活が送れるようにサポートするサービスです。

今回は、所沢市北野にある「所沢ロイヤル・ワム・タウン」の中にある所沢ロイヤル病院を訪ね、訪問リハビリテーション室 室長で理学療法士の加藤範子(かとう・のりこ)さんにインタビューをさせていただきました。

 


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 ◆ワム・タウンって何?

今回、取材で訪ねたのは、「所沢ロイヤル・ワム・タウン」内の「所沢ロイヤル病院 訪問リハビリテーション室」。所沢方面から入間方面に向かう国道463号を車で走っていると、「誓詞橋」交差点の左手に写真のような建物を見たことありませんか?
そこが、「所沢ロイヤル・ワム・タウン」。
ところで、ワム・タウンって、一体、何?!

所沢ロイヤルワムタウンの全体図

聞いたことのあるような無いような、そんな言葉の一つですが、ワム(WAM)は、英語のWelfare And Medicalの略。訳すと「福祉と医療」です。「所沢ロイヤル・ワム・タウン」は、ロゴをみると、英語のスペルがTokorozawa Loyal WAM TOWN 書かれているので、「所沢の忠実な福祉と医療のまち」と訳すのでしょうか?(ちょっと直訳しすぎ)でも、この中のニュアンスは伝わります。

「所沢ロイヤル・ワム・タウン」は、高齢化社会となった今、命を守る「医療」、健康づくりのサポート「保健」、老後を支える「福祉」の3分野を医療・福祉事業者、自治体や関係機関が連携したまちづくりを行うことで、高齢者が住みなれた地域や家庭で生活できるよう、「施設サービス」と「在宅サービス」を複合的なサービスを可能にしているそうです。

 

◆訪問リハビリテーションの役割

今回はその中の「在宅サービス」にあたる「訪問リハビリテーション」にクローズアップしました。
この訪問リハビリテーションは、もともとは訪問看護ステーションの兼務からスタートしたサービスで、利用者が増えたことにより、「訪問リハビリテーション」が独立し、現在に至ります。
今回、私たちの取材に対応くださったのは、その室長であり、立ち上げ段階から関わってきた理学療法士の加藤範子さん

前述にも記したように、「訪問リハビリテーション」とは、日々生活を送るお家でリハビリを受けられるサービスのこと。病院に通うことができない人の機能訓練や、退院して家での生活に慣れるためにサポートが必要な人の訓練を行います。

「病院でできるようになったことでも、家に帰ると環境が違うためにできないということもあります」と話します。
加藤さんのような理学療法士や、作業療法士、言語聴覚士など、資格を持った専門家が訪問し、病院から退院した後も、家でスムーズに生活ができるように訓練したり、環境を整え、入院していた時に自分でできていたことをできるようになるところを見届ける役目も担います。また、外出を躊躇してしまうのを予防する役目もあるそうで、
「次の人生のために、家からいろいろなところに通えるように、また人とのつながりを作ることで、1日、1日のを良かったと思えるようサポートします」

スタッフ用の車両

◆訪問リハビリでは特別な器具は使いません

前回の番組(VOL.5)でご紹介したように、「通所リハビリテーション」では、トレーニング器具を使って身体的機能の回復を目指しますが、「訪問リハビリテーション」では、その利用者さんのお家にあるものを日常で安全に使用できるように訓練を行います。
例えば、普段使っているベット・椅子・ソファーからの「立ち上がり訓練」、トイレも実際のものを使って自分で動けるようになるようにトレーニングを行います。

自宅でのリハビリの様子

 

◆ロイヤル病院の訪問リハの利用者は0歳~100歳

利用者の多くは、介護保険を使っている人と、通所できない人で医療保険を使う人。
多くの訪問リハの事業所は、高齢者や脳梗塞で倒れた人向けがほとんどですが、ロイヤル病院の訪問リハでは、高齢者だけでなく、利用者の年齢は0歳~100歳と幅広いそうです。中には、先天性の障がいをもって生まれたお子さんや、訓練しても身体機能の回復が見込めない人のリハビリも行います。

◆機能回復が見込めない人のリハビリの意味とは?

訓練しても身体機能の改善が見込めない人のリハビリも行うとは、どういうことなのでしょうか?
「一般的にリハビリというと『復帰』の意味がありますが、私たちが行っている『訪問リハ』は、これからどうやって生きていくのかをサポートすることが使命だと考えています」と加藤さん。
「余命がわかっているような病にかかっている人も、最期までどういきたいのかを一緒に探して、全力でサポートしていきます。最期の最後まで生きててよかったなと思えるような生活ができるように…」。

「誰でも人生があります。その人の人生をより良くするためには、どうしたらいいいかを私たちは常に考えます」と話す加藤さん。


「寝ているだけだと180度の視界しかなかったものが、少し起き上がれるようになるだけで、270度の視界に広がる。また、車いすに座れるようになるだけでも、いろいろな世界が見え、得ることがあります。そのことを訓練の中で利用者さんに伝えて、その思いを共有して、『よかったな』『いいことがあった』と思えることで、生きるための糧になるのではと思うんです」

◆利用者の自主的な意欲・目標を全力でサポート

訪問リハビリテーション室のスタッフのみなさん (前列中央)室長の加藤範子さん

 

「コンサートに行きたい」
「行きましょう!」
座ることもできない、ベッドで寝たきり状態の高齢の利用者さん。
とりあえず、車いすに座っていられるだけの体力をつけようと目標をもち、訪問リハビリ開始しました。
車いすに座れるようになり、念願のコンサートへ。
後日、「先生、今度は車いす席じゃなくて、一般席でみんなのようにコンサートで立って声援を送れるような体力をつけたいと、その利用者さんが話したそうです。
主体的な願望が芽生えただけでも、すごい事だと思います。今までベットの上にしかいなかった人が、車いすに座れるようになったことで、主体的に『次は、こんなことがしたい』という目標がでてきたのです。身体機能面ではそれほど、進歩がなかったとしても、心の面では、大きな変化がでました。本当に良かったなと思えた出来事でした」と加藤さんは、嬉しそうにエピソードを話します。

◆家族と利用者の気持ちを結ぶ役目

また、訪問リハビリテーションは、家族と利用者本人の気持ちを結ぶ役目もあるのだそうです。
家族が諦めていることでも、徐々に訓練によりできるようになったことを正確に家族に伝えることで、家族も希望が持てるようになり「今度はこんなことをしてあげたい」などの利用者本人とともに、目標ができてくることが多いそうです。

 

◆加藤さんが考える訪問リハの仕事とは?

「その人の生きがいを一緒にサポートすること。やりたいことを目標など一緒に探してサポートする仕事である。主体性が持てるようにサポートし、家族と利用者に寄り添っていく仕事である。」

 

取材後記:訪問リハビリテーションは、利用者本人のみならず、家族とも密接に関わりながら行うリハビリだけに、身体機能面だけでなく、主体性の意思を芽生えさせ、「生きる喜び」が見つける心のリハビリでもあるのだと感じました。

加藤さん、忙しい業務の中、貴重なお話ありがとうございました。

取材最後は、お決まりの記念撮影!

(手前)加藤範子さん (後左)鮎川雄一 (後右)成田知栄子

【今回の取材先DATA】

医療法人 啓仁会 所沢ロイヤル病院
リハビリテーション科 訪問リハビリテーション室
04-2937-4111(直通)

〒359-1152 埼玉県所沢市北野3丁目1−11
E-mail : tokoloy.ho-riha@tl-wam.or.jp

ホームページ http://www.wam-town.jp/k/tokorozawa/

ワムタウンのホームページhttps://www.wam-town.jp/ 

<地図>

ご意見・感想をお待ちしています💖

 

◆オープニングテーマ曲
Summer Vacation!! /仙波 宗一郎 作曲
【プロフィール】
1991年生まれ北海道札幌市出身、京都在住
13才の頃よりギターを始め、大学在学中より講師業や演奏の仕事を開始
25才から作編曲活動を始め、現在精力的に活動している。
【作品集】

Sound Cloud https://soundcloud.com/user-762845564
◆エンディング・テーマ曲
driving at daybreak /チバ 作曲
【作曲者ホームページ】
Sound Cloud https://soundcloud.com/user-762845564

40代からの介護ラジオ VOL.4
認知症ケア のヒント~要介護5から要介護1へ~

今回のテーマは
認知症ケアのヒント ~要介護5から要介護1へ~

認知症とは?いろいろな原因で脳の細胞がしんでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヶ月以上継続)をいいます。
認知症の症状として、「中核症状」と「行動・心理症状」があります。
なお、「行動・心理症状」には周囲から見ると、「徘徊」や「妄想」も、本人なりの背景や理由があると言われています。


<厚生労働省ホームページ:「認知症の基礎~正しい理解のために~」抜粋>

なんと!
今回は、パーソナリティ鮎川雄一が、所沢のデイサービスで、認知症ケアで素晴らしい成果を出している人に出会ったことから
「認知症ケアで今、困っているリスナーの方に是非、聴いてもらいたい!」と、鮎川の強い思いでテーマが決定!
さっそく取材の約束を取り付け、インタビューを行いました。
鮎川雄一も絶賛したその素晴らしい人とは?
番組でじっくりと鮎川雄一のインタビューをお聞きください。

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今回、みなさんにご紹介したのは、「ところざわ地域ケアの会」の代表を務める増川信行さん。増川さんは、所沢市元町で認知症の方に特化した「デイサービス琴平」で代表を務めています。認知症ケアの実績がたくさんあり、はじめは要介護5だった利用者さんが要介護1にまで改善したという奇跡のような実例もあります。

左からパーソナリティの鮎川雄一、デイケア琴平   代表の増川信行さん

介護度とは?
要介護5や要介護1。病気の重さを表しているのではなく、介護の援助がどのくらい必要かを度合いで表しているものです。介護度5は、一人で歩くことができないなどほぼ寝たきり状態というほど、生活するのに援助がとても必要ということを表しています。

増川さんの認知症ケアのポイント

介護する人とスタッフ一同が一丸となり「認知症の利用者の人をよく知る」ことからはじまるそうです。
介護度5ともなると、本人が意思表示ができない状態の場合が多く、その人を知るだけでも半年~1年かかります。「どういうことを気にかけてあげると、生活がしやすくなるか?」を考え、スタッフ一丸となって地道に取り組むことで、その人が反応するキーワードが見つかります。

「眼差しは介護する人にとって非常に大切」と話す増川さん。眼差しで、今その人がどんな気持ちでいるかを感じ取れる。家族にヒアリングをしながら、利用者さんの心が動くキーワードを探ります。認知症になると、ボーっとしている状態が頻繁にありますが、それを回避するにはどうしたらいいかを探りながらケアを行うそうです。体調によって気持ちが乗るときと乗らない時があるので、コンディションを見ながら提案していくことが大切です。

「水分をしっかりとることが大切」
認知症の人は、脳の血流が悪くなっているので、しっかりと水分をとって脳の血流をよくすることが大切だそうです。

認知症を改善
認知症の治療法はまだありませんが、認知症の予防法は最近、道筋ができてきています。増川さんは、「認知症の予防法は、認知症にかかっている人に実は有効であると言えると思います」と話しています。水分を取る、好きなことを見つけてワクワクさせる。つまり、脳に血流をしっかり送るというのがポイント。そうすると、注意力、判断力、認知力が戻ってくるのだそうです。

「認知症の改善には、水分、運動、食事、人との関わり、笑い、排せつへの取り組みを家族とともに行うことが大切です」

もともとは、そば職人だった増川さんは、ご両親の介護の時に悔しい思いをした経験から、「介護業界をなんとかしたい」という強い思いを持って取り組んできた方です。増川さんの認知症ケアの素晴らしい実績も、そうした熱い思いの成果でしょう。

増川さんの部屋には、認知症ケアに関する本が山ほど。いろいろな専門家の認知症ケアに対する考えや方法を勉強されています。

 

増川信行さん、どうもありがとうございました!

【増川信行さんプロフィル】
・1957年(昭和32)年、東京都新宿区生まれ
・所沢市在住
・所沢市立明峰小学校、所沢市立所沢中学校、埼玉県立豊岡高等学校、東京経済大学経営学部卒業
・大学卒業後、実家の手打ちそば店を継ぐ
・父親の介護に疑問を抱き、NPO法人「麦畑」を設立

【増川さんが代表を務める団体】

<ところざわ地域ケアの会のリーフレットから抜粋>
「ところざわ地域ケアの会」では、〝介護〟という枠だけにとらわれず、様々な勉強会を実施し、見識を深め、地域の皆さまに貢献できる人材作りを目指しています。
・定例会・社会福祉基礎勉強会・認知症専門勉強会を実施
・正会員(1年間)年会費3000円 (体験参加500円)

【デイサービス 琴平】運営法人:特定非営利活動法人 麦畑
住所 所沢市元町28-18 西武新宿線航空公園駅より徒歩7分
☎ 04-2946-7388